ご挨拶
昭和31年に開院した早津江病院（当時は早津江保養院）は今年で67周年を迎えます。令和2年9月より着工した新病棟の建設、既存病棟の改修・解体、外構の整備が無事に終え、令和5年4月お陰様で早津江病院はグランドオープンを迎えることが出来ました。これも偏に皆様方の支えがあってのことと感謝申し上げます。
早津江病院の前身である早津江保養院は、昭和30年に医療法人設立、同31年に川副町早津江津の佐賀県立商船学校跡地（平成27年、世界遺産に登録された三重津海軍所跡地でもあります）に精神科単科として産声を上げました。当時は73床でのスタートでしたが徐々に増床し、昭和49年には275床を数えるまでになりました。私は、昭和59年常勤医師として就職、前院長の吉村正先生の教えを受けて病院運営に携わるようになり翌年院長に就任しました。昭和63年に医療法人として現在の名称へ変更、平成4年より理事長を兼務致しました。
その間、精神科医療を取り巻く環境は大きく変化し、患者さんへの医療サービスの向上はもとより、精神保健福祉法等の成立により地域に開かれた、或いは透明性の高い病院作りが求められるようになりました。このことに対応するため平成5年12月に現在の地に移転し、将来を見据えた精神保健福祉医療活動が出来るように足場固めをしたつもりです。
現在早津江病院は、医療安全を基本にすえ精神障害者や認知症高齢者の方々を対象としたベッド数282床の入院治療と在宅支援を医療活動の二本柱とし、他の事業所や行政、地域の方々と手を携えチームでの医療・保健・福祉への取り組みを実践しております。
私は平成30年6月1日院長を交代し、現在は理事長職に専念しておりますが、これからも当院は変化し続ける社会情勢や医療提供事情にこたえ、地域の皆さんに必要とされる開かれた精神科医療を目指し努力を続けていかなければなりません。皆様方のお力と支援をいただきながら、今後も患者さんやご家族が安心して生活ができるよう力を尽くしていく所存です。
最後に、温故知新という言葉があります。これまで早津江病院で働かれた先輩たちの、永きに渡って営々として築き上げてきた苦労や喜びの歴史に思いを馳せ、先人たちの知恵に学び、今日があることに感謝します。そして、これからも誠意ある精神科医療を提供し歴史を重ね、次の世代へ繋いでいきたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。
特定医療法人 樟風会
理事長 松永 啓介
