院長挨拶・病院概要
ご挨拶
平素は早津江病院へ格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当院は昭和31年に早津江保養院として開院し、昭和63年に医療法人として現在の早津江病院へ名称を変更して今年で開院67周年を迎えます。現在の地に移転してから長い年月が経ち、建物の改修が必要となった今回のタイミングで、新病院建設に向けて専門のプロジェクトチームを設立し、「開かれた病院」をコンセプトに準備を進めてきました。
令和2年9月より新病院建設に向けて着工を開始し、令和4年1月には竣工して外来と病棟の一部が移転、令和4年4月には既存病棟を改修し移転しました。そしてこの度、新築・改修工事や外構整備など全工程が無事に完了したため、令和5年4月より早津江病院は新しくグランドオープンを迎える運びとなりました。これまでご支援・ご協力くださいました皆様方にはこの場をお借りして感謝申し上げます。
先にも触れましたが、今回の新築・改修工事では、「開かれた病院」をコンセプトに地域の方にも気軽に立ち寄ってもらえるような清潔で明るく開放的な精神科の医療施設を目指して新病院の建設を行いました。通常精神科病院は治療を受けられる方が行く場所であり、認知症治療病棟で診療を行うという印象がありますが、患者さんやそのご家族だけでなく、地域の方など沢山の方々にも気軽に立ち寄って交流していただけるような心地よい空間を目指しました。カフェや売店を併設したラウンジスペース(名称 ひだまりホール)を設けておりますので、是非多くの方にご利用いただきたいと思います。
さて、これまで当院は、現在の川副町福富に移転して認知症治療病棟、精神科デイケア、相談支援事業所や精神科訪問看護ステーションを開設し、地域に寄り添った医療の提供を行ってきました。また、今後さらなる高齢化社会が進み、認知症や統合失調症等の緊急を要する精神科急性期への対応が増加することを見据えて体制を整えると共に、急性期に対応するための職員教育や組織作りはもちろんですが、病院・病棟造りにも力を入れてきました。
現在、精神科医療を取り巻く環境は大きく変化しています。今、地域から求められる当院の役割として、入院患者さんの地域移行を進めつつ、急性期症状で来院される患者さんへよりスムーズに対応できる体制の構築と、引き続き認知症治療に注力することと考えています。認知症の場合は、高齢者の引きこもり・独居の問題から受診につながらないケースもあります。ご本人の周囲の方が気づいてご相談に来院されることも多く、ご家族や近隣の民生委員さん、佐賀市地域包括支援センター(おたっしゃ本舗)などと連携を密にすることが大切です。そして相談を起点に、医療と介護の連携につなげていくことによって、将来的には認知症の予防など先手が打てる相談体制を強化していきたいと考えています。
これからも当院は、関係機関や行政とも連携を密に行いながら地域に必要とされる開かれた精神科医療を目指し、治療や支援を必要とされる多くの方が安心して生活ができるようよりきめ細かな精神科医療の提供を推し進めてまいります。
今後とも皆様方から変わらぬご支援・ご温情を賜りますよう何卒お願い申し上げます。
特定医療法人 樟風会 早津江病院
院長 松永 高政
病院紹介動画
由来
早津江保養院は三重津として、江戸時代末期、全国にさきがけて海軍を創立した鍋島藩の三重津の海軍所跡地である。 又、明治より昭和初期にかけて県立佐賀商船学校とし幾多の優秀な海の男達を世に送り出したところでもある。正にこの跡地に早津江保養院が設立された。
昭和25年精神衛生法が制定され、精神障害者を保護し、国民の精神衛生の向上が規定された。この法規に沿って、精神病院の設立が計画され増床が緊急の問題となった。昭和30年8月、松永岩三郎他7名のものが、早津江保養院設立総会を開催。軽床60、重症4、の精神病院設計図をつくり鍋島直紹佐賀県知事に申請し設立が許可された。昭和31年3月病院建物(商船学校舎)の使用が許可され、同時に定床を73名とした。
創立30周年記念誌 序文より抜粋
沿革
昭和31年5月 | 早津江保養院開院 |
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昭和63年4月 | 「早津江病院」へ名称変更 |
平成5年12月 | 病院新築移転 |
平成6年6月 | 老人性痴呆疾患治療病棟認可 |
平成6年8月 | 精神療養病棟認可 |
平成6年11月 | 精神科訪問看護開始 |
平成9年6月 | 精神科デイ・ケア開始 |
平成12年5月 | 精神科作業療法開始 |
平成15年6月 | 精神療養病棟1認可 |
平成16年4月 | 精神科デイ・ナイト・ケア開始 精神障害者社会復帰施設福祉ホームB「はなの木」開設 |
平成18年4月 | 地域生活支援部新設 |
平成18年10月 | 相談支援事業所「くすの木」開設 病院機能評価 認定 |
平成22年4月 | グループホームケアホーム「はなの木」事業開始 |
平成23年7月 | 電子カルテシステム「MOMACE」導入 |
平成23年9月 | 病院機能評価 更新 |
平成26年4月 | グループホーム「はなの木」へ名称変更 |
平成28年10月 | 病院機能評価 更新 |
平成29年10月 | 訪問看護ステーション「くすの風」開設 |
平成30年6月 | 標榜科を「心療内科・精神科」に変更 松永啓介 より 松永高政 へ院長交代 |
令和元年7月 | 「地域移行機能強化病棟」開設 |
令和3年1月 | 「地域移行機能強化病棟」を「精神療養病棟」に変更 |
令和4年1月 | 外来・3病棟の新築移転 |
令和4年10月 | 病院機能評価 更新 |
令和5年4月 | グランドオープン(新築・改築工事完了) |